政治資金収支報告書への領収書コピーの5重計上などが問題となり、自民党に離党届を出した玉沢徳一郎・元農水相が代表を務めていた自民党岩手県第4選挙区支部が、衆院選挙のあった03年と05年、選挙期間やその直前に、国の公共事業を受注していた複数の建設業者から献金を受けていたことが6日、分かった。公職選挙法は、国と契約関係にある業者が国政選挙で献金することや候補者が献金を求めることを禁止している。玉沢氏側は「選挙のために献金を受けた。(公選法の規定は)そこまでの考えはなかった」としている。
自民党岩手県第4選挙区支部の政治資金収支報告書などによると、同支部は衆院選のあった05年、農水省東北農政局発注の工事などを施工していた同県内の建設・土木業者少なくとも10社から、計530万円の献金を受けた。いずれも公示(8月30日)を間近に控えた8月10日から選挙期間中の9月1日にかけて献金された。
同支部は03年にも、衆院選の公示1週間前から選挙期間中にかけて、国の工事を施工中の少なくとも4社から計48万円の献金を受けていた。
玉沢氏の秘書は6日、朝日新聞の取材に対し、いずれの年も献金が特定時期に集中している理由を「選挙のため」と話した。また、国と契約関係にある業者からの選挙目的の献金が公選法に触れる可能性があることについて「そこまで深い知識はなかった。有権者や当局の判断に任せたい」と述べた。6日までに取材に応じた岩手県内の建設業者3社は、いずれも「選挙だから献金した」としている。
玉沢氏は政治資金収支報告書で領収書を5重計上したことが明るみに出て、今月3日、自民党に離党届を出した。
http://www.asahi.com/politics/update/0907/TKY200709060463.html