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2007年09月06日(木) 22時57分

人気サンダル、エスカレーター事故多発 全国で40件朝日新聞

 子どもや若者に人気が高いサンダルが、エスカレーターで巻き込まれる事故が今年5月以降、独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)に計40件報告されていることが分かった。材質が軟らかいことが原因とみられ、指先の骨が折れる重傷を負った子どももいた。経済産業省は注意を呼びかけるとともに、販売業者から事情を聴いており、調査結果によっては製品改善を指導する。

エスカレーターでのサンダルによる事故の注意を呼びかける掲示=横浜市中区の横浜ワールドポーターズで

クロックス製のサンダル

 NITEによると、都県別の事故報告数は神奈川が最多の12件で、次いで東京9件、愛知6件、福岡4件、兵庫3件。宮城、群馬、静岡、石川、三重、広島が各1件。サンダルを履いていたのはほとんどが子どもで、成人も2人いた。

 問題のサンダルは、米国の靴メーカー「クロックス」の製品と、その類似商品。

 エスカレーターの段差が縮小したり、足を乗せている部分が巻き込まれたりする際に、サンダルのつま先や、かかとの部分が巻き込まれる。東京都では8月28日、5歳の女児が足の中指を骨折、指3本のつめがはがれるけがを負うなど、けがの報告も数件あった。

 海外ブランド品を扱う店が多く、若い世代の客が多い横浜市中区の大型商業施設「横浜ワールドポーターズ」では6〜8月、4件の事故が起きた。うち2件はクロックスのサンダルだった。切断されて使えなくなったサンダルもあったという。この施設では、エスカレーター周辺に看板を置き、注意を呼びかけている。

 同省は事故原因を調査中だが、「他のサンダルに比べて材質が軟らかいなどの原因が考えられる」としている。

 クロックス製サンダルを国内で販売している「クロックス エイジア」は「事故が発生している事実は認識しており、非常に重く受け止めている。対策の検討を進めている」としている。ただ事故原因については「すべての事故で、お子様がエスカレーターの黄色線上に立ち入っており、正しい乗り方がされていない」と指摘した。

 同省製品安全課は「エスカレーターでのサンダルの事故は珍しくないが、今回は多すぎる。調査を進めた上で、製品の改善を求める可能性もある」としている。

http://www.asahi.com/life/update/0906/TKY200709060418.html