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2007年09月03日(月) 03時03分

<国際詐欺>国内口座で資金洗浄 埼玉県警が6人逮捕毎日新聞

 国際詐欺の振込先口座を金融機関に不正に開設したとして、埼玉県警国際捜査課と所沢署は2日、ナイジェリア人1人と、日本人5人を詐欺容疑で逮捕した。開設された複数の口座には約3年間で約7億円が振り込まれており、県警は国際詐欺集団によるマネーロンダリング(資金洗浄)に使われた可能性が高いと判断。組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の収受)の疑いでも捜査する。
 逮捕されたのは同県蕨市、飲食店経営、アサボー・フェリックス・スティーブ容疑者(40)と、同県所沢市、トラック運転手、磯野敬一容疑者(31)ら計6人。
 調べでは、磯野容疑者らはアサボー容疑者の依頼で05年、自分が使うと偽り県内の都市銀行に口座を開設した疑い。日本人容疑者は口座から現金を引き出してアサボー容疑者に手渡して報酬を受け取っており、県警は譲渡目的で口座を開いた詐欺行為だと判断した。
 県警は同年、「海外から毎月、多額の現金が振り込まれる不審な口座がある」という情報提供を受けて捜査。磯野容疑者らが都市銀行や信金に開いた口座に、欧米から毎月数百万〜数千万円が振り込まれていることをつかんだ。捜査員を米国に派遣して調べ、送金の大半は欧米で起きた「419事件」の被害金だと判明。今回摘発された口座には同年、米国人被害者の銀行口座から「遺産相続手数料」などの名目で、数百万円が直接振り込まれたという。
 アサボー容疑者は、受け取った現金の一部をさらに米国や中国、カナダなどに送金していたとみられる。県警は、アサボー容疑者らが犯罪収益と知りながら送金を受け取ったとみて、組織犯罪処罰法違反容疑でも捜査する方針。立件されれば海外で起きた犯罪収益にからむマネーロンダリングへの、初の同法適用になるという。【村上尊一、山崎征克】
 【ことば】◇419事件◇ 80年代後半にナイジェリアから始まった国際詐欺で、同国刑法419条に触れるため、この名で呼ばれる。ナイジェリアやコンゴなどの政府、軍高官を装った電子メールなどで「極秘取引」を持ちかけ、手数料を海外口座に振り込ませるのが典型的な手口。最近では、背任罪に問われた日本スケート連盟の元会長が被害に遭ったとされる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070903-00000004-mai-soci