2007年09月03日(月) 01時50分
“鬼門”農水相、後任に4氏浮上 遠藤氏は午前9時に更迭(産経新聞)
安倍晋三首相は2日夜、遠藤武彦農水相が組合長理事を務める農業共済組合が補助金を不正受給していた問題で、遠藤氏の更迭を決めた。3日午前9時に遠藤氏を首相官邸に呼び、辞表を受け取る。遠藤氏は10時から農水省で記者会見を開く。先月27日の安倍改造内閣の発足からわずか1週間目での閣僚辞任は、安倍政権にとって大きな痛手となる。10日召集予定の臨時国会で野党が首相の任命責任を追及してくるのは必至だが、早期の決着により政権運営へのダメージは最小限にとどめたい考えだ。
後任には、島村宜伸元農水相のほか、武部勤元幹事長、中川昭一元政調会長、宮路和明元厚労副大臣の名前が浮上している。与謝野馨官房長官は2日夜、都内のホテルで遠藤氏と会い、今回の問題について改めて問いただしたが、遠藤氏から完全に納得する説明は得られなかった、という。与謝野氏はこれに先立つ昼には自民党の麻生太郎幹事長、大島理森国対委員長と会談し、「情勢は厳しい」との認識で一致。麻生氏はテレビ番組で、「世間で通る説明なのかどうかが一番の問題だ」と述べていた。
政府・与党としては、前内閣で閣僚の事務所費問題や失言問題への反応の鈍さが内閣支持率の低下を招いたとの反省が強い。野党側が多数を占める参院で、問責決議案提出の構えを見せていることもあり、遠藤氏の問題で迅速に対応し、安倍改造内閣の危機管理能力を国民に示す必要性に迫られたともいえる。
安倍首相自身が改造後の会見で、閣僚の政治とカネの問題について「十分な説明ができなければ去っていく覚悟でやってもらう」と明言していたことも、国会召集前の更迭につながったようだ。
安倍首相は、党内各派の領袖クラスを取り込んだ内閣改造を機に態勢を立て直す考えだった。だが、松岡利勝元農水相の自殺、赤城徳彦元農水相の辞任と続いた“鬼門”の農水相不祥事はとまらなかった。入念に行われたはずの政治資金状況などの事前調査も十分には機能しなかった。
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