2007年09月02日(日) 02時46分
<遠藤農相問題>野党から辞任要求 公明からも厳しい声(毎日新聞)
遠藤武彦農相が組合長を務める農業共済組合の不正受給問題で1日、野党各党は一斉に辞任を要求した。農相が辞任せず、安倍晋三首相が罷免もしない場合は、与野党逆転の参院で、農相の問責決議案提出も検討していく。一方、与党は世論の反応を見極める構えだが、自民党内に擁護論が多いのに対し、公明党からは厳しい声が出ている。
民主党の鳩山由紀夫幹事長は「国のお金をごまかしていたのは悪質で、本人も知っていた。会計検査院の指導を受けながら返金もせず、責任は大変重い。本来大臣を受けるべきではなかった。政治家としての責任をとるべきだ」と主張した。
共産党の市田忠義書記長も「安倍首相は『政治とカネの問題が出てきたら閣僚を辞めてもらう』と言っていた。遠藤氏は閣僚の資格がない」と批判。社民党の福島瑞穂党首は「首相の『身体検査』は意味がなかった。辞任しない場合には問責決議案も視野に入れていきたい」と話した。
野党側は当面、農相の自発的な辞任を求めていく。10日召集予定の臨時国会の代表質問や予算委員会で追及し、安倍首相の任命責任を問う。
さらに、国政調査権を発動して説明を求め、同時に安倍首相に罷免を要求。それでも辞任しない場合は、農相問責決議案の提出も検討する。ただし、提出は安倍政権を退陣に追い込めるタイミングかどうか、政治的効果を慎重に見極めながら判断することになる。
一方、自民党の麻生太郎幹事長は「自らしっかりと説明責任を果たすよう求めたい」とコメント。遠藤農相が所属する山崎派幹部は「この程度の問題であれば、辞任する必要はない」と突っぱねた。与野党が逆転している参院幹部も「謝罪する必要はあるだろうが、大した問題ではない。今回の件だけで野党が遠藤農相の問責決議案を出すことはないだろう」と静観する姿勢を示した。
少数ながら「事務所費問題などと違って、補助金の所管大臣というのが痛い。仮に故意に不祥事を放置していたなら、留任は厳しいかもしれない」(伊吹派幹部)との見方もある。また、公明党幹部は「辞任しない理由が説明不足だ」と不快感を示し、週明けに自民党側に説明を求める考えを示した。【山田夢留】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070902-00000006-mai-pol