インターネット関連サービス企業が、携帯電話向け検索エンジンの開発に乗り出している。携帯検索はパソコン検索と違い絶対的勝者が決まっていない。携帯でのサービス利用が増える中、各社は携帯検索を新たな収益源として期待している。
「ムーター」で検索語を入力する
検索語を元にウェブページを毎回分類し、結果を表示する
携帯検索はパソコン検索と同じく、検索語を入力すると何万件もの検索結果が一覧表示される。米グーグルなどパソコン検索の巨人もサービスを始めているが、画面が小さい携帯では見づらく、表示技術がネックだ。
傘下企業が携帯向けコンテンツを提供するサイバードホールディングス(HD)は9月中旬、検索エンジン開発のムーター(東京都)と提携し、検索サービス「ムーター」を本格開始する。
「ムーター」は検索結果をジャンル別に分類する機能が特徴。例えば「音楽」と入力すると、ウェブページをライブ情報、音楽ニュースなどと分野ごとに表示し直し、見づらさを改善した。
電子商取引の楽天市場を運営する楽天は検索エンジン開発のファストサーチ&トランスファ(ノルウェー)と今月中旬、合弁会社楽天・ファスト・モバイルサーチを設立し、開発に乗り出す。
ファスト社は検索結果の並べ替え速度などに強みを持つ。小さな画面に的確な情報を表示する技術の開発が期待される。
携帯検索は、KDDIが06年7月にネットサービスのトップページにグーグルの検索コーナーを置いたころから注目され始めた。「将来、楽天市場の利用者の半分が携帯を使うようになる」(三木谷浩史社長)などとみるネットサービス企業にとり、高精度エンジンの開発は、自社サービス利用者の増加に必要だ。
また、携帯検索の利用者増加に伴い、検索結果に関連した広告を表示する検索連動型広告の携帯向け市場も拡大するとみられている=グラフ。
サイバードHDや楽天は検索連動型広告事業も始め、エンジンを他社に供給する計画。「主な収入源だった携帯コンテンツ使用料に、新たな収益源が加わる」(HD傘下の川田敦昭・サイバード社長)と期待している。
http://www.asahi.com/business/update/0901/TKY200709010203.html