1杯180円の「びっくりラーメン」チェーンを運営するラーメン一番本部(大阪市)は30日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請した。帝国データバンク大阪支社などによると、負債総額は子会社分も合わせ約39億円。牛丼チェーンの吉野家ディー・アンド・シーは同日、「裁判所の許可を条件に店舗や工場などの事業を譲り受ける」と支援に乗り出す方針を発表した。一部店舗を除き営業は続けるという。吉野家がラーメン店を傘下に置くのは初めて。
ラーメン一番本部は97年、加藤博一社長が大阪市福島区で創業した。材料を自社工場で生産し、製造原価をめん1玉15円程度、スープ10円台に抑えた格安ラーメンが学生らに人気をよんだ。04年と05年には約50店舗ずつ出店し、06年11月現在で関西や関東、九州などにフランチャイズを含め約200店を展開。05年12月期には約58億円の売り上げがあった。
しかし、実際には材料工場の稼働率を上げるための無理な出店を重ねたとみられる。人材育成も追いつかず、日本語が不自由な外国人を店の責任者にするなどしたため接客サービスが低下。顧客離れを招いた。
吉野家ディー・アンド・シーは「将来の事業領域拡大に向け重要な経営資源になると判断した」(広報)としている。
http://www.asahi.com/business/update/0831/OSK200708300077.html