携帯電話業界の競争促進策を検討している総務省の「モバイルビジネス研究会」が29日開かれ、「1円携帯」など端末の安売りを可能にしている「販売奨励金」制度の見直しについて、携帯電話5社の社長が意見を表明した。
NTTドコモなど大手3社のトップが奨励金の早期廃止などに反対したのに対し、イー・モバイルとウィルコムは賛成の姿勢を示し、業界内の温度差が浮き彫りとなった。
ドコモの中村維夫社長とKDDI(au)の小野寺正社長は、奨励金がなくなると端末の販売価格上昇で販売が低迷し、「電話機メーカーや販売代理店への影響が大きい」と指摘した。ソフトバンクモバイルの孫正義社長は、「国が特定の販売モデルに誘導するのは望ましくない」と述べ、国主導の見直し自体に異を唱えた。
一方、残り2社は「携帯電話の通話料はまだまだ高い」(イー・モバイル)などとして、通話料に上乗せして利用者から回収している奨励金の廃止に賛成する考えを示した。
研究会は今年6月、販売奨励金の回収を通信料金から分離することが望ましいとする中間報告をまとめている。