名古屋市千種区の会社員磯谷利恵さん(31)が拉致、殺害された事件で、死体遺棄の疑いで逮捕された3容疑者とは別に、闇サイトを通じて参加した別の男(29)も事件の直前まで行動をともにし、一緒に事務所荒らしなどをしていたことがわかった。この男は拉致殺害事件の直前に出頭し、24日、愛知県警に逮捕されていた。拉致事件はその日の夜に起きた。男は調べに対し、闇サイトを通じた仲間がいたことを供述していたといい、県警が拉致事件の前にグループの存在をつかんでいた可能性が出てきた。
男は名古屋市名東区の事務所に物を盗み出す目的で侵入しようとしたとして、24日、名東署に建造物侵入未遂の疑いで緊急逮捕された。
調べに対し、男は共犯者がおり、同様の犯行を数日にわたって繰り返していたこと、共犯者とは犯罪目的で使われることが多いインターネット上のサイト「闇の職業安定所」の書き込みを通じて約1週間前に知り合い、実際に会って打ち合わせをしていたことなどを明らかにしたという。
書き込みは、磯谷さんの遺体を岐阜県瑞浪市内の山林で遺棄した疑いで逮捕された住所不定、無職川岸健治(40)、愛知県豊明市栄町西大根、新聞勧誘員神田司(36)、名古屋市東区泉1丁目、無職堀慶末(32)の3容疑者が集まるきっかけになったもので、共犯者は3容疑者らだった。
ところが、事務所荒らしをする際、土地勘がなかった男は、共犯者とはぐれた。犯罪を繰り返すことに嫌気がさしていた男はこれを転機にと、県警に110番通報し、犯行を告白したという。
男が逮捕された24日の午後10時ごろ、磯谷さんは千種区自由ケ丘で拉致された。愛知県愛西市の駐車場に止めた車内で殺害、岐阜県瑞浪市の山林に遺体を遺棄された。名東署が所管する名東区は拉致のあった千種区と隣接し、拉致現場から両区の境までは約1.5キロ。
事件の直前には、川岸容疑者らは名古屋市内で集まり、「女性を襲撃しよう」と話し合っていたことがわかっている。
http://www.asahi.com/national/update/0827/NGY200708270009.html