2007年08月27日(月) 21時26分
<改造内閣>新閣僚、初の会見で身ぎれいさ強調(毎日新聞)
安倍改造内閣が27日、発足した。事務所費など「政治とカネ」に絡んで新たに問題が発覚すれば、政権の崩壊につながりかねない危うさを抱えた中でのスタート。「政治資金は適正に処理してきた」「公認会計士を入れて徹底的に調べた」——。官邸の「身体検査」を経た新閣僚は、初の会見で身ぎれいさを強調した。
松岡利勝氏が不透明な事務所費問題で批判を浴びて自殺、後任の赤城徳彦氏も同様の問題で辞任した農相ポスト。新農相の遠藤武彦氏は入閣にあたって政治資金収支報告の訂正などは「した、という報告は受けておりません」と回答した。会見後記者団に、前任者2人の不祥事について問われると、「(首相から)特別そのことについて言われたこともないし、私自身は別の問題だと思っている」と語気を強めた。
赤城前農相も6月12日の参院農水委員会で、農相に任命された時、安倍晋三首相から「政治とカネ」についてどんな指示があったのかを問われ「特に『政治とカネ』についてのご指示はなかった」と答弁していた。
派閥領袖の町村信孝外相。「かなり以前から透明性を高めるため努力してきた。現時点で問題はない」と自信を見せた。しかし「仮に問題が発覚した時の対処は」と問われると「仮定の問題に答える意味はない」と突っぱねた。
一方、鳩山邦夫法相は「ずばり言って、私自身が細かいことを知っているわけではない」と事務方任せであることを明かし「28歳から清潔を旗印にしてきた。全く疑念を持たれないよう事務所の皆さんに言っている」と話した。逆に1月に事務所費が問題化した伊吹文明文部科学相は「すべて自分で決裁している」とした。
こうした中、岸田文雄沖縄・北方担当相は「やましいところはないと信じている」と述べたうえで、入閣に際して政治資金収支報告書を訂正したことを明らかにした。03年と04年の政治活動費の領収書について「手書きで不十分なものがあったので、正式のものを追加添付した」という。岸田事務所によると、資金管理団体の車両維持費やパーティー開催費など2年間で1100万円分の領収書が対象としている。入閣に合わせるように27日付で総務省に訂正を届け出た。
すべての政治団体で、収支報告書には1円以上の支出から領収書を添付する。この「1円領収書」制度を導入するかどうかが現在、政治改革の大きな焦点となっている。しかし「賛成」と明言したのは、舛添要一厚生労働相と上川陽子少子化担当相の2人のみ。その他の閣僚は「議論の結論に従う」などと述べるにとどまった。【日下部聡、加藤隆寛、長野宏美】
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