警視庁立川署の友野秀和巡査長(40)が飲食店従業員の佐藤陽子さん(32)を射殺した後に自殺したとみられる事件で、佐藤さんが事件当日に友野巡査長に送った6通のメールには、居場所を知らせる内容が全く含まれていなかったことがわかった。
また、佐藤さんが受けた銃弾のうち1発は、首のすぐ下から背中の中央部に斜めに貫通していたことも判明。友野巡査長が、恐怖で座り込んだ佐藤さんを見下ろしながら拳銃を撃ったという残忍な犯行が浮かび上がった。
調べによると、佐藤さんは今月18日から宮城県内の実家に帰省し、事件当日の20日午後8時ごろ、東京・国分寺市内のアパート1階にある自室に戻っていた。
一方、友野巡査長の携帯電話のメールの受信履歴では、18、19の両日は、佐藤さんからのメールの受信は全くなく、20日午後7時ごろになって、2日ぶりに佐藤さんから「お疲れ。話をしたくない」という趣旨のメールを受信していた。
この日、友野巡査長は午前0時台から午後6時台まで、佐藤さんに「今どこにいるの」といった居場所を尋ねるメールを計6通送っており、この時の佐藤さんのメールは、これらへの返信だったとみられる。佐藤さんはこの後、「ごめん。友ちゃん、訴える」などというメールを5通返信しているが、自室に戻ったことには触れていなかった。
佐藤さんのアパート周辺では、佐藤さんが実家に帰った当日の18日夕、友野巡査長によく似た男が目撃されていた。また、2人の遺体が見つかった時、佐藤さんの部屋の照明とエアコンがついたままになっており、同庁は、友野巡査長は、佐藤さんが自室にいるのを外から確認して、部屋に押し入ったとみている。
一方、佐藤さんの遺体の司法解剖の結果、佐藤さんが受けた2発の銃弾のうち1発は、首のすぐ下から背中の中央部に斜めに抜けていたことが確認された。2発目は腹部を貫通し、床に弾がめり込んでいることから、友野巡査長は、尻もちをついた状態の佐藤さんを見下ろす形で1発目を撃ち、あおむけに倒れた佐藤さんの真上から2発目を発射した可能性が高い。
室内には争った様子がなく、同庁は、佐藤さんが恐怖のために抵抗できなかったとみて、犯行の状況をさらに詳しく調べている。
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