19日午前1時5分ごろ、熊本市南千反畑町のマンション駐車場で、暴力団「九州誠道会」(本部・福岡県大牟田市)系忠真(ちゅうしん)会(熊本市)の中村文治(ぶんじ)会長(55)が血まみれで倒れているのを、熊本県警熊本北署員が見つけた。
中村会長は、拳銃で左ほおを1発、下腹部を数発撃たれ重傷。現場から2人組の男が逃走するのを目撃されており、県警は殺人未遂事件として捜査している。
県警は、福岡市で18日、九州誠道会と対立する指定暴力団・道仁会(福岡県久留米市)の松尾義久会長(56)が射殺された事件への報復の可能性があるとみている。
県警によると、暴走族の夜間取り締まりのため熊本北署員らが署を出た直後、数発の銃声を聞き、付近を調べたところ、署の北約200メートルの駐車場で倒れている中村会長を見つけた。防弾チョッキを着ていたが、チョッキの下の腹部に命中したらしい。
現場は熊本市役所から北東約1キロの住宅街の一角。逃走した2人は20歳代とみられる若い男で、1人は身長約1メートル80で、後ろ髪を束ね、黒いバッグを持っていた。もう1人は約1メートル70。
熊本県警によると、忠真会の構成員は親交者を含め10人程度という。中村会長は昨年7月、熊本県合志(こうし)市内で何者かに拳銃で右肩を撃たれて大けがをした。今年6月には、忠真会の入江秀則会長代行(当時43歳)が熊本市内の自宅で頭部を拳銃で撃たれ、死亡した。
一方、福岡県警は19日、九州誠道会本部事務所を、松尾会長殺害とは別の詐欺容疑で捜索した。誠道会が松尾会長殺害にも関与した疑いがあるとみて捜査を進める。