世界初となる「ロボットのための倫理憲章」の制定を、韓国政府が進めていると、AFP通信が報じた。同国では人間に代わって家事や子守をしてくれる「サービスロボット」の開発が急ピッチで進んでおり、人間のすぐそばで活動するロボットの安全性を確保する規則作りが必要と判断した。今年末までの制定を目指しているという。
同通信によると、憲章づくりは科学者や医師、心理学者、ロボットの開発者ら12人のチームが中心となって進める。ロボットの管理とコントロールを厳格に行い、ロボットが好ましくない目的に使われたり、ロボットが必要とするデータが勝手に書き換えられたりしないようにすることを目的にしているという。
ロボット開発では、日本が「ヒト型」、米国が「軍事」で先行する。韓国はこれに対し、子どもの勉強や遊びの相手になったり、皿洗いなどや掃除などの家事を代行したりする「サービスロボット」に開発資源を集中することで巻き返しを狙う。憲章の制定をきっかけに、この分野で世界をリードしたい考えだ。
チームの代表を務める韓国明知大のキム・デウォン教授も「憲章の目的は、人間とロボットがどのようにして共存していくかを考えるもので、ロボット開発を制限するものではない」と話す。
しかし、同国のロボット産業界には「我々が必要としているのは、こんな総合的で抑制力のない宣言ではなく、もっと専門的なガイドラインだ」という声もある。
http://www.asahi.com/science/update/0811/TKY200708110248.html