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2007年08月08日(水) 20時06分

エステの「ヴィーナスグループ」3社に初の業務停止命令朝日新聞

 経済産業省は8日、東京、大阪などでエステティックサービスを展開する3社に対し、6カ月間、新たな契約や勧誘を禁じる業務停止命令を出した。街頭でのキャッチセールスで客を店に連れ込み、「今から手をうたないと間に合わない」などと不安をあおって勧誘するなどしたとして、特定商取引法違反(不実告知など)にあたると判断した。同法に基づいて国がエステに業務停止命令を出すのは初めて。

 処分されたのは、ヴィーナス(大阪市)、ヴィーナスイーストジャパン(東京)、ヴィーナスウエストジャパン(福岡市)の3社。社長は同一人物で「ヴィーナスグループ」と総称している。

 経産省によると、同グループは関東でソシアル、関西でヴィーナス、中部でソルリオ、九州ではシャラなどの店名で営業しており、全国に21店舗ある。年間新規契約は3000人程度とみられ、計約13億円を売り上げ、業界では中堅とされる。

 調べでは、グループの営業社員が街頭で客につきまとい、「アンケートに答えて」などと目的を告げないで店に連れ込み、断っても数時間にわたって勧誘を続けたという。客が「学生なので払えない」などと断っても、分割払いで30万〜70万円の高額契約を結ばせる例もあったという。

 さらに、機械を使った「肌診断」で、「しみやしわがすごい」「毛穴が開き、角質の汚れがとれない」などと説明。顔の絵にしわやしみを表す色を塗って、「放っておくと手遅れになる」などと不安をあおったという。

 これらのセールストークは同グループのマニュアルに記載があり、客に同じような説明をしていたことから、同省は、勧誘に使われたエステの必要性の説明には根拠がないと判断。「ニキビが治る」といった効能や、料金の説明も事実と違っていたという。誇大広告や契約・勧誘書面の不備、財産状況の開示義務違反もあり、違反は12項目に及ぶという。

 エステ業界では強引な勧誘手法などを巡って全国の消費生活センターに毎年1万件以上の苦情や相談が寄せられ、同省が監視を強めていた。

 ヴィーナス社は「担当者がいないので答えられない」としている。

http://www.asahi.com/life/update/0808/TKY200708080349.html