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2007年08月03日(金) 21時52分

「緑のオーナー制度」元本割れ相次ぐ、林野庁の見通し甘く読売新聞

 国有林のスギ、ヒノキの育成に出資し、伐採時に配分金を受け取る林野庁の「緑のオーナー(分収育林)制度」を巡り、満期を迎えた個人・団体の契約1万件のうち9割以上が、元本割れしていることがわかった。

 輸入木材に押され、国産価格が低迷しているためで、今後満期を迎える延べ約7万6000件についても、見通しが立っていない。同庁では公募当初、元本割れのリスクを説明していなかった。同庁では、「価格の動向が一気に好転する材料には乏しい。このようなことになり、出資者には申し訳ない」としている。

 同制度は、1口50万円または25万円を出して国有林を国と共同所有し、伐採後の販売代金を持ち分に応じて配分する仕組み。公募は1984〜98年度に行われ、延べ約8万6000の個人・団体から約500億円を調達した。初めて満期を迎えた99年度は、50万円の出資に対し平均受取額は54万円だったが、2000年度以降に元本割れが発生。05年度は27万7000円まで下落し、元本の4分の1しか受け取れない例もあった。

 同庁では公募当初、利回りを年3%と試算。元本割れリスクについては、問い合わせが目立ち始めた93年度から、パンフレットに「元本を保証するものではない」などと記したという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070803i113.htm?from=main1