2007年08月02日(木) 12時03分
石油元売り大手各社、ガソリン一気に値上げ(産経新聞)
■小売価格、過去最高超す勢い
新日本石油など石油元売り大手が1日、ガソリンなど石油製品の卸価格を一斉に値上げし、ガソリンスタンド(GS)での小売価格への転嫁が本格化し始めた。東京都内では7月に比べて1リットル当たり9円の値上げとなったGSもある。米原油先物相場では、指標となる米国産標準油種(WTI)が連日、過去最高値を更新。こうした原油価格の高騰も一因となり、昨年9月に記録したレギュラーガソリンの過去最高値、1リットル=144円10銭(全国平均)を超える勢いだ。
この日は、新日本石油が4円10銭、ジャパンエナジーが3円50銭以上、昭和シェル石油も5円、それぞれ卸価格を引き上げた。これを受けて、東和興産(東京都荒川区)は、大田区の傘下GSの販売価格を144円と6円値上げ。また、別の販売会社では、東京都杉並区のセルフ式GSが一気に9円値上げして142円としたほか、中野区のGSでは5円値上げして145円とするなど、小売価格への転嫁が急速に進みつつある。
東和興産の林彰社長は、「卸価格の引き上げで利幅が圧縮され、原油価格の先高感もあって、前年同月並みの水準にした。GS間の価格競争は激しいので、売り上げ減になりかねない値上げは厳しいが、そうもいっていられない状況だ」と打ち明ける。
マイカーを週末にしか使わない一般家庭では、1カ月の給油回数は1〜2回程度が平均とされ、卸価格の上昇による影響額は月に200〜600円程度。ただ、実際の小売価格には過去に価格転嫁できなかったコスト上昇分も反映されることがあり、その場合は1・5倍程度に膨らむことになる。夏のレジャーなどで長距離のドライブをする場合は、懐に響く可能性もある。
石油情報センターが同日発表した石油製品市況動向調査(7月30日時点)によると、レギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)は141円30銭で前週と変わらなかったが、「7月は週末を中心に天候不順が続き、販売量が伸びなかった。このため、月初の卸価格の上昇分の一部しか価格に転嫁されなかった」(同センター)と説明する。
ただ、1日のWTI先物が1バレル=78ドル台後半まで上昇した原油価格の高騰が続く中、価格転嫁が本格化すれば、ガソリン価格が過去最高値を超えるのは確実とみられる。
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