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2007年08月02日(木) 21時31分

初心者のためのセカンドライフ講座〜シャ乱Q・はたけ×三淵啓自(1)RBB TODAY

 7月13日についに日本語β版がリリースされた3D仮想空間「セカンドライフ」。全世界で850万人以上が参加しており、ここ数カ月で日本人ユーザーも急増中だ。
 
 しかし、日本では比較的ビジネス向けの話が中心になっており、ユーザーとしての楽しみ方が語られることは少ない。
 
 そこで今回は、デジタルハリウッド大学大学院「セカンドライフ研究室」室長の三淵啓自教授と、セカンドライフ内に日本列島を作るプロジェクト「じゃぱらんど」をプロデュースしているシャ乱Qのリーダー・はたけさんに、セカンドライフを楽しむコツをおうかがいした。ビジネスとしてではない、ユーザーにとってのセカンドライフの魅力とは何だろうか?
 
◆“気軽にコミュニケーション”が魅力

セカンドライフ、楽しんでる?

----おふたりともかなりセカンドライフにハマっているようですが、1日にどれくらいログインされていますか?

はたけ:僕の場合はまちまちです。一日の大半をログインしている日もあれば、全然ログインできない日があったり。

----モバイル用のPCを新調なさったそうですが、移動中もやっているんですか?

はたけ:バリバリですよ。何のためのモバイルやねん(笑)。今、イーモバイルを買おうか迷ってます。

----三淵さんはどうですか?

三淵:私も同じような感じです。最近はあまり入れていないですが。週にどれくらい入っているかわからないですけど、夜中とか朝方とかにちょっと入って、昼間も時間の合間があったら入って。あとは人に見せるときに入っているという感じですね。

----セカンドライフの魅力とはどんなところなんでしょうか?

三淵:コミュニケーションツールとしてすごくいいなと思ってます。電話などと同じように、1人では面白くない。やはりコミュニケーションをして、初めて面白さがピンとくると思います。

はたけ:突き詰めていけば行き着くところはコミュニケーションですよね。これは本当にいいですよ。

三淵:アバターの方が付き合いやすいというわけじゃないですけれど、私もはたけさんも結構忙しいと思うんですね。その合間に会うとなると相手が限られてくる。どこかで会うとなったら移動も含めて2時間くらいはかかってしまいます。でも、セカンドライフの中だったらすぐに「元気?」とかコミュニケーションがとれる。メールだと相手の状況もわからないし、リアルタイム性もないですが、セカンドライフなら気軽にリアルタイムで交流できる。時間が合えば「どこか行こう」と中で会うこともできるわけです。

はたけ:現実社会、特に東京なんかでは隣りの家に住んでる人の顔も知らなかったりしますよね。人との距離感という部分で、どうしても警戒心が強くならざるをえない。でも、人と人の付き合いって本来もっと楽しいものだと思うんですよ。それがセカンドライフの中ではすごくスムーズに実現します。セカンドライフの中というのは人との距離感が独特で、パスワードやクレジットカードの番号さえ守っておけば、警戒することはほとんどないんですね。だから、本来の人間のあるべき距離感ってもので人間同士がつながっていけるんじゃないかなと思いますね。

----確かにお隣さんとかそういう意識がリアルな社会より濃密にありそうですよね。

はたけ:そうなんです。すごく気持ちいい付き合いができますね。

----そうすると、ログインしてたまたまそこにいた人とか、お隣さんとかから知り合いが増えていくんですか?

はたけ:いや、その辺にいる人に自然に「こんにちは」って声をかけてます。そうすると、普通に「こんにちは」って返ってきますよ。

三淵:セカンドライフの中では普通に挨拶をしますよ。挨拶をしない人は変な人ですね。

----逆に黙っているほうがおかしい、と。

三淵:そうです。

はたけ:多分、原始時代とかそんなんだったんじゃないですか(笑)。人がいるんだから挨拶するでしょ、みたいな。

----それで自然に知り合いが増えていくんですね。

はたけ:そうですよ。面白い場所や有益な情報を交換したり、共有したりしながら。

----でも、今でこそ挨拶するのが普通みたいな感覚があると思うんですが、最初の頃は戸惑いませんでしたか?

はたけ:もしかして人見知り?(笑)

三淵:中のルールが見えないときってありますよね。私も最初に入ったときは、研究という目的で入ったので、いろいろ観察したくてあちこち行ってたんです。でも、観察が目的だったのであまり干渉しちゃいけないと思っていて、黙ってあちこち見て歩いてたんですね。そうしたら、一度怪しいユーザーだと思われたことがありまして。「こいつ変なやつじゃないか、ずっと黙ってて」って(笑)。そういうことがあって、それからはとりあえず挨拶しようと。返事が返ってこなくてもいいから。でも、たいていは返してくれますよね。知らない人が固まってるところに行っても「こんばんは」って言えば「こんばんはー」って。そこから知り合いが増えていく。いい世界ですよー(笑)。

はたけ:本当に「こんにちは」だけはやっておいたほうがいいね。

◆友達と一緒に始めよう

----これから始めるユーザーにオススメの楽しみ方やアドバイスはありますか?

三淵:私は、SNSでもブログでもいいですけど、最初にやっている友達を見つけてから入りましょうといいたいですね。そうするとすごく慣れるのも早いですよ。

はたけ:絶対に早い。それが一番いいです。

三淵:やっぱり1人で入るのは面白くないですよ。物を作るとか何か目的があればもちろん別ですが、誰かと一緒に入ってその人にナビしてもらってどこかに行くとか、たくさんの人と遊んだりしたら大体ハマりますよね。中でバイクなんかに乗って走るだけでも楽しいですもん。子供に返った気分ですよね。

はたけ:一緒にやる人がいるというのは大きいですよ。1人で始めるのと全く違うと思いますね。

三淵:SNSなんかもありますから、そういうコミュニティをうまく使うといいですね。SNSに登録すればいろんな人がいますから、そういうところで友達を作ったりイベント情報を集めたり、コミュニティに入ったりしてから入れば、みんなと一緒に楽しめます。

はたけ:初心者同士でもいいですからね。

三淵:そうそう。“弥次喜多”じゃないですけど、2人で試行錯誤したりしながら。

はたけ:実家の親とでもいいから一緒に始めてほしい(笑)。

三淵:親ですか(笑)。

はたけ:僕も最初は初心者同士で始めました。そのときには電話やスカイプでやり取りしながらでしたね。僕はタイプが遅いし、チャットだけだと表現力も限られる部分があるじゃないですか。「今こんな画面でこんなことやってるんだけど、どうすればいいかな?」みたいなやり取りをしながら進めていきましたね。

----セカンドライフ内で知り合った印象的な人だとか面白い方っていましたか?

はたけ:“みたらしまん”とかかな(笑)。

三淵:彼は個性的ですよ。

はたけ:アバターを作り出したりしていたんで、「みたらし団子にしたらいいんじゃない?」って言ったんですが、彼はそれを「はたけプロデュースだ!」って思ったみたいで。次に来たときは頭に串が刺さってました。

----それはすごい(笑)。どういういきさつで知り合ったんですか?

はたけ:“じゃぱらんど”に突然やってきた(笑)。“じゃぱらんど”のオープン3日前に初めてログインして“はたけ宮殿”(はたけさんの作った宮殿)にたどり着いて、「もうすぐオープンする」って言ったらいきなり土地買って。いまや“じゃぱらんど”の顔ですよ。

三淵:でも、発想がすごいですよ。彼を見て「そうか、アバターってこういうこともできるんだな」と思いましたよ。食べ物にするとは思わないですから。

はたけ:自作のみたらし団子をあげたりして、コミュニケーションのきっかけにしてるみたいです。

三淵:でも、この間初めて(リアルで)お会いしたんですけど、すごくいい方でしたよ。

 「これから始めるセカンドライフ〜シャ乱Q・はたけ×三淵啓自(2)」へ続く

はたけさんたちの写真はこちらで

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