2007年07月18日(水) 20時00分
米地裁、RIAAに対し訴訟相手の弁護士費用支払い命じる(CNET Japan)
米地方裁判所はRIAAに対し、同団体が提起した訴訟の被告であるオクラホマ在住の女性が負担したおよそ7万ドルの訴訟費用の支払いを命じた。RIAAは、著作権侵害行為を「間接的に」支援したとして同女性を提訴したが、結局訴えは棄却された。RIAAが訴訟費用の支払いを命じられたのは恐らく今回が初めてだろう。
全米レコード協会(RIAA)は、違法とされるファイル交換に対する法廷闘争を現在も続けているが、米国時間7月16日に「Capitol対Foster」と呼ばれる同訴訟の判決が下されるまで、同協会がその法廷闘争の過程で弁護士費用の支払いを命じられたことはいまだ一度もない、と弁護士のRay Beckerman氏は指摘する。同氏は、「
Recording Industry vs The People (レコード業界対国民)」というタイトルのブログを通して、同様の訴訟を追跡してきた。
一方、RIAAも17日にCNET News.comに次のような声明を送付してきた。「われわれは、この判決が誤りであり、他に類を見ない出来事だと考えている」
RIAAに提訴された被告が、訴訟で弁護士費用を取り戻せなかったケースは、最近だけで少なくとも5件に上る。
そのうちの1件が、2004年11月にRIAAがDeborah Foster氏を提訴した今回の訴訟だ。この訴訟でRIAAは、Foster氏のインターネットサービスプロバイダー(ISP)アカウントに関連するIPアドレスが違法なファイル交換を行っていたと主張した。しかしFoster氏は、そのような違法なファイル交換に関する知識はないと繰り返し主張した。そして、RIAAは2005年に訴えの内容を拡大し、被告にFoster氏の成人の娘であるAmanda氏を追加した。AmandaはRIAAの訴えに対する自己弁護ができなかったため、RIAAの不戦勝となった。
その後もRIAAは、Deborah Foster氏に対する訴訟を継続したが、2006年7月にオクラホマシティーの地方裁判所のLee West判事がRIAAの訴えを退けた。West判事はFoster氏に弁護士費用を受け取る資格があるか否かの調査を進めたが、RIAAは裁判所に対し、手続きをさらに進めてその額を確定するよう求めた。
Foster氏は10万5680.75ドルを要求したが、West判事は同氏の項目別費用やその他の請求書を分析した14ページにわたる調査書の中で、同氏が受け取れるのは6万8685.23ドルに限ると結論付けた。
RIAAは過去数年にわたり、違法なPtoPファイル交換の撲滅運動を展開し、その中で多くの大学生、10代の若者、お年寄りらを相手に何千件もの訴訟を提起してきた。今回のFoster氏の訴訟は、その中のほんの1例にすぎない。しかし、Foster氏が訴訟の棄却後に弁護士費用を請求したことがきっかけとなり、電子フロンティア財団(EFF)、米国自由人権協会(ACLU)、Public Citizenなどの権利擁護団体が裁判所に法廷助言要約を提出した。
それらの団体は法廷助言要約の中で、「(RIAAは)被告が裁判を戦う上で必要な訴訟費用を大幅に下回るように慎重に選んだ金額」を提示することにより、無実の人々を効果的に和解に誘導してきたと主張している。またRIAAは、これまで提訴する相手の身分を不正な手段で取得していたとされてきた。
「弁護士費用を授与することにより、無実にも関わらず著作権侵害の罪でRIAAに訴えられた人々は勇気付けられ、RIAAの偽りの訴えに対抗しようという気になる。また、無実であることをRIAAが知っている、あるいは当然知っているべき被告を苦しめるだけで、他に何のメリットもない訴訟をRIAAが提起し続けるのを阻止できる。さらに、著作権者の独占権に対する適切な制限を再確認することにより、著作権法の目的の推進につながる」(法廷助言要約)
一方、RIAAは17日、Foster裁判への対応に関して自己弁護した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。
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http://japan.cnet.com/
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070718-00000013-cnet-sci