携帯電話で「着うた」「着メロ」をダウンロードしたり、映画や新幹線などのチケットを購入したりする「モバイルビジネス」の市場規模が、07年中に1兆円に達するのが確実になった。総務省などの調査で同市場は、毎年3〜4割増のペースで急成長。若者を中心に携帯でインターネットを利用する層の拡大に加え、通信速度の高速化や料金定額制の浸透が追い風となっているという。
モバイルビジネスの市場規模同省によると、着うたなどの売り上げや株取引の手数料などを集計した、モバイルビジネスの市場規模は06年末時点で前年比28.5%増の9285億円。02年(2986億円)と比べ、4年間で3倍以上に膨れ上がった。
内訳をみると、音楽やゲーム、画像などを配信する「モバイルコンテンツ市場」は、前年比16.2%増の3661億円。これに対し、携帯によるインターネットを通じて、品物やチケットを購入したり、株取引、オークションをしたりする「モバイルコマース市場」は同38%増の5624億円に達した。
携帯電話各社などによると、コンテンツ市場の柱は音楽とゲームで、両者で全体の6割以上。音楽分野では、「着うた」「着うたフル」の伸びが目立つ。音楽配信に強い「au」ブランドを展開するKDDIは「着メロは着信音代わりだが、着うたは曲そのものを楽しむ。携帯を音楽プレーヤーとして利用するスタイルが定着しつつある」と分析する。
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