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2007年07月13日(金) 03時02分

<保安院>原子力関連の不服申し立て25件を未処理放置毎日新聞

 行政不服審査法に基づく、原子力に関連する国への不服申し立て計25件が、最長で26年間も処理されず、放置されていたことが12日分かった。同法は目的に「簡易迅速な手続きで国民の権利を救済する」ことを挙げている。担当の経済産業省原子力安全・保安院は「保安院が発足した01年以降は、原発不祥事などに追われて手が回らなかった。遅れて申しわけない」と釈明している。
 不服申し立ては、国や自治体などによる許認可や懲戒処分、年金の給付決定など公権力の行使に対し、不服がある場合に行える。申し立てを受けた行政庁は、行政行為の取り消しや変更をする「容認」や、申し立てに妥当な理由がないとする「棄却」などを決める。
 保安院によると、未処理のうち最も古いのは81年2月の不服申し立て。旧動力炉・核燃料開発事業団(現日本原子力研究開発機構)の東海再処理工場(茨城県東海村)について、旧科学技術庁が合格証を出したのは納得できないなどとして、住民らが行った。
 この例をはじめ、未処理の25件中3件が申し立てから20年以上、13件が同10年以上20年未満だった。旧科技庁と経産省資源エネルギー庁、保安院が受け付けた原子力関連の不服申し立ては計59件で、うち4割以上が未処理だったことになる。
 保安院が現在、処理を急いでいるが、期間がたち過ぎて申立人への連絡が難しい場合もあり、いつまでに処理できるかは明言できないという。
 法律では対応を決めるまでの期限に定めがないが、所管する総務省は「決定まで10年、20年とは初耳だ。期間をいたずらに長引かせることは(法の趣旨からみて)あってはならない」と言う。
 保安院は12日、未処理だった00年と01年の不服申し立て計2件について、決定に必要な法手続きとして、申立人からの意見聴取会を開いた。その準備の過程で、多数の未処理案件があることに気づいたという。
 不服申し立ては、東京電力福島第1原発(福島県)と柏崎刈羽原発(新潟県)で使用予定だったウラン・プルトニウム混合燃料(MOX燃料)の合格証を国が出したことに対するもので、聴取会では「異常な遅れに、保安院から謝罪もない」「聴取会が形だけと言われても言い逃れできない」などと批判の声が出た。【高木昭午】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070713-00000008-mai-soci