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2007年07月11日(水) 08時01分

北京のブランド水 半数がタダの水道水産経新聞

【北京=福島香織】水道水が飲用に適さないため、北京市民が買って飲んでいる大型容器(約19リットル)入りの飲料水の半分が、水道水などタダの水だったと報道され、市民に衝撃を与えている。
 この騒動は10日までに、某ブランド飲料水の北京での販売責任者という人物が匿名で、北京の夕刊紙・京華時報に告発したのがきっかけ。
 2006年の業界統計によると、北京市内で売られた大型容器入りの飲料水は、年間約1億個。200以上あるブランドのうち娃哈哈、楽百氏、ネスレ、燕京の4大ブランドがこのうち2500万〜3000万個を占める。
 しかし、同紙によると、実際に北京市内で売られている4大ブランド名の飲料水は毎月1000万個、年間1億2000万個以上に上り、他のブランドを含めると2億個を超える。つまり、ニセブランド飲料水が1億個分近くある計算だ。
 ある容器工場では、年間10万個のニセ容器が生産され、1個0・5元でニセのブランド付き容器が手に入ったという。これに水道水や低品質の水を詰めて、ブランド水として高値で売られていた。
 北京で10日、記者会見した国家質量監督検査検疫総局の●建平・食品生産監督管理局長は「5月10日に北京市141社の飲用水生産企業の162種製品について検査したところ157種が合格した」と説明したが、これに対し、ネット上では「市の登録業者の合格率が高いのは当たり前。ニセ水はヤミ工場で作られ、検査を逃れている」といった消費者の反論が寄せられている。

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