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2007年07月10日(火) 13時28分

<赤城農相>事務所費、領収書開示の意思なく疑惑残したまま毎日新聞

 「公私混同や経費の付け替え、架空経費はない」。しかし領収書は一切公開しない——。「事務所費」問題の渦中にある赤城徳彦農相は10日午前、釈明会見で自らの疑惑を否定し「法律にのっとって対処する」と証拠となる領収書の開示の意思がないことを改めて強調した。多くの不自然な点への説明では歯切れが悪く、会見の最後は農水省職員が「大臣は(海外主張への)出発時間なので」と会見を打ち切った。【日下部聡、北川仁士】
 ◆活動実態
 赤城氏の実家に置かれた形になっている「赤城徳彦後援会」。赤城氏の父親は当初「(事務所になっていることは)全く知らない」と証言しながらその後に撤回するなど、周辺関係者の発言が揺れている。
 赤城氏は会見で「小選挙区になり事務作業は水戸市の事務所で行うことが増えたが、後援会の拠点になっていることに変わりはない」と説明。「赤城後援会のシンボル」とも強調した。
 ◆経常経費
 経常経費は家賃にあたる事務所費や光熱水費が含まれる。「後援会」では05年までの10年間で9045万円を計上していた。平均すれば年間900万円。赤城氏はこれまで、家賃は含まれていない、と説明していた。
 会見の中で赤城氏は「両親の生活費を支出していることはない」とし、さらに「10年分の累計であり、実際にかかった経費を一つ一つ積み上げた数字」とした。
 後援会の経常経費は年によって大きく変動している。これには「00年まで(茨城県)下妻市に事務所があり、維持費がかかった。人件費は徐々に下がっている。自民党の政党支部と後援会の水戸事務所が同居しているが、コピー機の紙など明確に区分できないものは案分した」と、年による変動を釈明した。
 ◆妻の実家
 赤城氏の東京・世田谷の妻の実家には別の政治団体「徳政会」が置かれている形になっている。「徳政会」も毎年100万円以上の経常経費を計上していたが、関係者は「ここ10年は活動実態がない」と毎日新聞に証言していた。
 赤城氏は「解散の手続きを昨日取ったと報告を受けた。親せきや友人が集まって作ってくれた団体で、以前はある程度の活動をしていたが、最近は寄付もなく、細々活動していると報告を受けた。資金については適切に処理されていると報告を受けた」と語った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070710-00000040-mai-pol