大手銀行のりそな銀行(本店・大阪市)は9日、東京や大阪など全国27の支店・出張所で、顧客の名前や口座番号が記された伝票など約98万件分の取引資料を紛失したと発表した。廃棄した資料に誤って混ぜるなどした可能性が高いという。外部からの不正請求などはなく、同行は「情報が流出した可能性は極めて低い」としている。企業の個人情報の紛失が相次いでおり、情報管理のあり方が改めて問われそうだ。
紛失したのは、2395件分の伝票や支払い済み小切手をとじたもののほか、約96万件分の取引明細が記されたATM(現金自動出入機)の記録紙、約1万2000件の税公金納付書の控えなど。
紛失資料は98年10月から今年2月までの取引で作成されたもので、対象顧客には個人、法人ともに含まれる。名前や口座番号、住所や取引金額などが記されていたり、伝票や小切手には届け出印が押されたりしていた。
同行によると、支店や出張所ごとに保管していた伝票などを一括管理するため、昨年12月からセンターに移し替える作業を実施したが、支店・出張所に保管されているはずの資料が見つからないケースが次々と発覚。全店を対象に約6カ月かけて保管状況を調べたところ、東京営業部や大阪営業部、名古屋駅前など27支店・出張所で取引資料の紛失が判明したという。調査期間中に資料を紛失していた支店や出張所もあった。
店舗の統廃合で資料を移動させた際に廃棄資料に紛れ込んだ可能性が最も高く、同行は「再発防止に向け、情報の厳格な管理を再徹底したい」としている。問い合わせは、りそなコミュニケーションダイヤル(0120・24・3989)へ。
http://www.asahi.com/national/update/0709/TKY200707090415.html