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2007年07月05日(木) 12時34分

中国製調味料からサルモネラ菌 米で深まる不信産経新聞

 【ワシントン=渡辺浩生】米国のスナック菓子がサルモネラ菌に汚染され、中国製の原材料が原因である可能性が高いことが3日、分かった。ペットフード、練り歯磨き、養殖魚、タイヤなど、安全性に問題のある中国製品が米国で次々と発覚。米中貿易関係を一段と緊張させる要因となってきた。

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 サルモネラ菌に汚染されたのは、菓子メーカー、ロバーツ・アメリカン・グルメ社(ニューヨーク州)が販売する「べジー・ブーティ」などのスナック菓子。すでに自主回収に乗り出したが、中国から原材料を輸入している調味料が原因とみられる。感染者は17州で54人に上る。大半が3歳以下の幼児という。
 3月に中国産原料を使ったペットフードを食べた犬や猫が相次ぎ中毒死したのを皮切りに、連鎖的に問題が発覚している背景には、「中国製品に対する輸入依存度の急上昇」(米メディア)がある。米農務省によると、中国の米国向け農業輸出は昨年22億6200万ドルで2002年の約10億ドルから倍増。米国は養殖魚介類の8割を輸入しているが、その22%は中国産に頼っている。
 ただし、製品はグローバル化しても、業者の法意識は世界標準に追いついていないのが実情。禁止された化学物質を混ぜるのも、低コストを維持したいためだ。
 練り歯磨きに混入した毒性のジエチレングリコールは甘味料の代わりに使われた。うなぎの養殖に大量の抗菌剤が使われたのも、細菌感染のリスクを抑えるためだった。
 中国製タイヤに事故を誘発する欠陥があるとして、近くリコールを実施する米輸入業者は「中国メーカーが安全装置の装着を勝手にやめた」と批判する。
 一方で米食品医薬品局(FDA)の検査能力も全食料輸入の1%にすぎないなど、米側のチェック体制も追いついていない。対中強硬派で知られる民主党のシューマン議員は1日の声明で、中国製品の安全問題は「氷山の一角にすぎない」と指摘。強力な水際検査機関の創設を主張した。
 米国内で中国製品への不信が高まる中、人民元問題や知的財産権侵害で緊張する米中貿易摩擦は「さらにエスカレートする」(米紙ウォールストリート・ジャーナル)との指摘も出ている。

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