2007年07月03日(火) 10時00分
“ヤギ入り”チキンナゲットも 加工食品「偽装」の実態(日刊ゲンダイ)
ミートホープ社の牛ミンチ偽装事件で、農林水産省は全国調査を開始。100点の牛加工食品のDNAを調べ、8月上旬にも結果を発表するとしている。独自のDNA検査では早くも偽装が発見され、意外なモノまで検出されている。
「今回の偽装事件が発覚した当初は、持ち込まれた検体の半数はクロという状況でした。国内より管理体制が甘い海外で製品化されている商品は、よりこまやかに検査した方がいいと思います」
こう言うのは、福岡県のDNA鑑定会社「ビジョンバイオ」の食品分析部長・平野雅純氏。「ミートホープ」関連の製品が一斉に持ち込まれたということもあるだろうが、日本ではベラボーな数の偽装加工品が出回っているのだ。
何が入ってるか分かったものではない。牛ミンチに豚ミンチを混入なんてのは序の口。ミートホープは中国産のカモやウサギ、ラム肉、シカ、焼き豚の端材にロールパンまで入れていたという。口に入れられるものなら何でもアリだ。
実際、同社が朝日放送(大阪)の情報番組「ムーブ!」から依頼された加工品を調べたところ、中国製のチキンナゲットからヤギのDNAが検出された。中国ではヤギを食べるのは珍しくないというものの、日本人にはなじみが薄い。商品を輸入した都内の会社は「指摘を受けて調査中」としているが、パッケージには鶏肉と鶏皮しか表示されていないからアウトだ。
もっとも、DNA検査をしたところで、すべての混入物が分かるわけではない。前出の平野雅純氏が言う。
「日本の検査機関では牛、豚、鶏の3種類しか鑑定できないところがほとんどです。こういうところでは、ウマやヤギ、羊が混入された製品が持ち込まれても検出できません。日本最高レベルの当社でも、ラインアップはこの6種類まで。カモやウサギになると分からないのが実情です。農水省は全国調査に踏み切ったと強調していますが、ラインアップが3種類の機関で牛ミンチを鑑定しても、豚や鶏以外の混入は分かりません」
あり得ないと思いたいが、もし犬やネコ、ネズミ、ミミズなどが入った“牛ミンチ”があったとしても、現状ではセーフになってしまう。これがグルメ大国ニッポンの悲しい現実なのだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070703-00000008-gen-ent