偽装牛肉事件などを起こした食肉卸「フジチク」グループの2社と、統括する藤村芳治被告(65)=補助金適正化法違反などの罪で一審で実刑判決を受けて控訴=を相手取り、メーンバンクの三菱東京UFJ銀行(本店・東京)が総額約400億円の貸金返還などを求めた訴訟の判決が29日、名古屋地裁であった。内田計一裁判長はフジチク側に請求の全額の支払いを命じた。
2社はグループ中核の「フジチク」=名古屋市中区=とゴルフ場を経営する「興起産業」=津市=で、藤村被告は両社の代表取締役として連帯保証人になっていた。
フジチク側は「迂回(うかい)融資、無担保で回収見込みのない、銀行の内規に抵触する融資で、公序良俗に反し無効だ」と主張したが、内田裁判長は「主張が具体的でないうえ、直ちに公序良俗違反に当たらない」として退けた。
同銀行はこのほか、同グループの「フジチクインターナショナル」=名古屋市中区=を相手取り、約100億円の貸金返還などを求める訴訟も同地裁で係争している。
フジチク側は「判決文を読んでいないのでコメントできない」、同銀行広報部は「当行の主張が受け入れられた」としている。
http://www.asahi.com/national/update/0629/NGY200706290008.html