個人情報保護法の見直しを検討してきた内閣府の国民生活審議会個人情報保護部会(部会長・野村豊弘学習院大教授)は29日、法の定着策を掲げた安倍首相あての意見書「個人情報保護に関する取りまとめ」を高市少子化相に提出した。
必要な個人情報も流通しなくなっている過剰反応問題については、「状況を見極め、法改正の必要も含め、さらなる措置を検討していくことが必要」とし、法改正の提言は見送った。
提出後、15省庁の連絡会議が開かれ、担当の高市少子化相が「過剰反応対策には最大限の努力をしてもらいたい」と指示。内閣府に「個人情報相談ダイヤル」(03・3581・9778)や「個人情報メールボックス」を開設し、市民の疑問に答えることを決めた。
意見書では、過剰反応対策として、生命などの保護に必要な場合、本人同意がなくても情報提供できるとした同法の規定の活用や、各省庁による法の趣旨の周知徹底を求めた。
このほか、「特別の理由」があれば個人情報の第三者提供は可能とした行政機関個人情報保護法を参考に、自治体の条例運用を見直すことなども盛り込んだ。