2007年06月28日(木) 08時00分
中国製有害歯磨き粉 100円ショップでも販売(産経新聞)
■130万本出荷 回収9社に拡大
中国製練り歯磨き粉から、成分表示されていないジエチレングリコールが相次いで見つかっている問題で、100円ショップ「ザ・ダイソー」で販売していた使い捨て歯磨きセットの歯磨き粉にも、ジエチレングリコールが含まれていたことが27日、広島県への報告で分かった。一般消費者向けは初めて。東京都内の業者の輸入歯磨き粉からも混入製品が新たに見つかり、自主回収を始めた業者は9社に広がった。
ザ・ダイソー(大創産業、本社・広島県東広島市)で販売されていた使い捨て歯磨きは、広島県廿日市市の化粧品製造販売業者のコーライが輸入販売した製品で、中国江蘇省揚州市の工場で製造されていた。厚生労働省の通知を受け、コーライが日本国内で歯磨きを自主検査した結果、原材料表示されていないジエチレングリコールが8・5%検出された。
製品は歯ブラシと歯磨き粉のセットを7組1パックにして100円で販売し、昨年8月21日から今月15日までに計130万1328本(18万5904パック)が出荷された。ダイソー店頭からはすでに撤去されている。
また、東京都新宿区の輸入販売業者「創信」が中国から輸入した旅館向け使い捨て歯磨きからも、成分未表示のジエチレングリコールが6・2〜1・2%混入していることが分かり、製品61万8600本について自主回収を始めた。
■「工場信じた…」チェック甘く
ジエチレングリコールが混入した中国製歯磨きを輸入した9社は、いずれも中国の工場の報告を額面通り受け止め、原料として記載されていないジエチレングリコールの混入を見逃していた。
輸入販売業者のコーライは2カ月に1度程度、中国の工場から歯磨きの品質検査表を受け取っていた。これをもとに輸入前検査を実施していたため「想定外の含有成分は見つけられなかった」という。検出された量は9社中で最多の8・5%。担当者は「工場を信じていたのがこういう結果になった」と唇をかむ。