【ワシントン=大塚隆一】米中央情報局(CIA)は26日、1950〜70年代に行った秘密工作に関する機密文書を公開した。
この中でキューバのカストロ首相(当時)に対する毒殺計画の詳細などが明らかになった。
公開されたのは「家族の宝石」と呼ばれる約700ページの文書。73年、ウォーターゲート事件へのCIAの関与に怒った当時のシュレジンガー長官が、違法な可能性のある活動をまとめるよう指示して作成させた。
それによると、CIAは60年、元連邦捜査局(FBI)捜査官を通じ、指名手配中だったマフィアの大物2人にカストロ暗殺を依頼。2人に毒薬6錠を渡し、首相の飲食物に盛るよう求めた。実行役に雇われたキューバ人は数週間にわたって機会をうかがったが、途中で怖じけづき、毒殺は失敗に終わったという。
文書には、CIAが米国内で行った反戦活動家やジャーナリストに対する盗聴や監視、民間人を対象にした合成麻薬LSDの投与試験、旧ソ連や中国からの郵便物開封などの違法活動も記載されている。
CIAはこのほか、旧ソ連と中国に関する53〜73年の分析文書147点、約1万1000ページも公開した。この中には日本共産党と中国との関係などを分析した2文書も含まれている。
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