事故の危険性のある中国製の家庭用圧力鍋が、技術基準を満たしていないのに、基準に適合していることを示すマークを付けて販売されていたことが分かった。
経済産業省は26日、輸入した三星刃物(岐阜県関市)に対し、消費生活用製品安全法(消安法)に基づく初の改善命令を出すとともに、マークを付けることを6か月間禁止するよう命じた。マークがなければ売ることができないため、事実上の販売禁止措置となる。
この圧力鍋は、同社が約1万個を輸入し、栗林商事(新潟県燕市)が約8400個を引き出物などとしてカタログ販売。ふたが外れて内部の調理物が飛び出したり、取っ手が熱くなりすぎてやけどを負ったりする危険があるため、両社が5月から自主回収している。
圧力鍋は消安法で、技術検査に適合しているかどうかを輸入・製造事業者が検査し、基準を満たしていることを示すマークを張らなければ販売できないが、この圧力鍋は、基準に達していないのにマークが付けられていた。
対象機種は、マロンシリーズとして販売されたMR—180、200、220の3種類。事故の報告はないが、経産省によると、回収率は45%にとどまる。
日中両政府は今年4月、製品事故に関する情報共有を柱とする覚書に調印。この覚書に基づき、経産省は5月、中国側に圧力鍋に関する情報を提供した。中国側が製造元の工場を調べたところ、既に製造を中止していた。製品は中国の基準は満たしていたという。