金融庁は26日、2006年度の偽造・盗難キャッシュカードなどによる預金不正引き出しの被害状況を発表した。
偽造されにくいIC(集積回路)付きキャッシュカードが普及し、偽造カードによる不正な預金引き出しは531件と、前年度比約41%減少した。しかし、インターネットバンキングでの預金被害が98件に倍増した。ファイル交換ソフト「ウィニー」などを通じてネット上に流出した預金者のパスワードを入手し、預金を不正に引き出すケースなどが目立つという。
件数が最も多いのは、盗難キャッシュカードによる被害で、同9%増の6603件、盗難通帳の被害は同1%減の246件だった。
06年2月に施行された預金者保護法は、金融機関に対し、カードの所有者が故意に暗証番号を他人に教えるなどの重過失がない限り、金融機関側に補償を義務づけている。このため、偽造キャッシュカード被害で補償された件数は99・3%に上ったが、補償条件が比較的厳しい盗難キャッシュカードは64・0%、盗難通帳は22・7%だった。ネットバンキングは同法の補償対象外だが、各金融機関の判断で67・5%のケースで補償された。