食肉製造加工会社「ミートホープ」(北海道苫小牧市)の牛肉偽装事件で、北海道警は24日午後、不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで同社本社や「北海道加ト吉」(赤平市)など計10か所を捜索した。
道警は、牛肉ミンチに豚肉を混入するなどの工作が、ミート社の田中稔社長(68)の指示の下で組織的に行われたと見ており、田中社長ら幹部の立件に向け、全容解明を進める。
調べによると、ミート社は2002年ごろから今年にかけ、牛肉に豚の心臓や羊肉などを混入したものを、「牛肉ミンチ」と偽って、北海道加ト吉に納入した疑い。偽装工作により、ミート社は実際の価値より高い代金を受け取っており、道警は詐欺罪にあたるかどうかも検討している。
偽装肉は、北海道加ト吉で冷凍コロッケなどに加工され、「日本生活協同組合連合会」のブランドで全国に販売された。「味の素」「旭松食品」「米久(よねきゅう)」「ジェイティフーズ」「ニチロ」などの食品会社でも、冷凍食品に加工され、全国各地のスーパーなどに流通しており、生協や食品会社は、商品の回収を始めている。
◆ミート社、当面休業◆
田中社長は25日未明、ミート本社の捜索終了後、報道陣に対し「これからしばらく会社を休みます。従業員はすべてやめていただきます」と話した。しかし、専務の三男が「いや、ちょっと、まだ」と遮り、当面休業することだけを表明した。