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2007年06月25日(月) 08時24分

ミンチ偽装、生協に電話800件 「牛ゼロ」商品も朝日新聞

 「生協だから信頼していたのに」「子どもに食べさせてしまったが、大丈夫なのか」——。

 ミート社の偽装ミンチを使った「牛肉コロッケ」を販売していた日本生活協同組合連合会(東京都渋谷区)に組合員からの苦情や問い合わせが相次いでいる。かかってきた電話は、問題が発覚した20日から3日間だけで800件を超えた。

 日本生協連は、商品30品を外部検査機関に送り、DNA鑑定。その結果、すべての商品に豚肉が混入されていた。「牛」がまったく検出されない商品もあった。

 幹部は「生協ブランドを信頼してくれていた組合員を、結果的に裏切ってしまった」と、肩を落としている。

 生協の「牛肉コロッケ」を製造していた北海道加ト吉には、問題発覚後、一部取引先から「当分、取引を控えたい」との打診が続いた。そして24日には、余った冷凍コロッケをミート社に還流していた内部の不祥事が発覚した。

 親会社の加ト吉(香川県観音寺市)は、今春に不正会計問題が発覚。新経営陣による初めての株主総会(28日)の準備に追われている最中だった。金森哲治社長は「商品の問題だけは起こしたくなかった。今回の方がショックは大きい」と厳しい表情で語った。

 ミート社の肉を扱っていた全国の食品関連企業は、相次いでミート社との取引を停止。ローソンや味の素、明治乳業といった大手も販売中止や出荷停止を余儀なくされた。ある食品業者は「一業者の不祥事で、業界全体の信用を失いかねない」と憤りを見せた。

http://www.asahi.com/national/update/0624/TKY200706240198.html