北海道苫小牧市の食品加工卸会社ミートホープによる偽「牛ミンチ」出荷問題で、田中稔社長(68)は21日夕、同社で記者会見し、「牛肉のトリミング(くず肉)に豚肉のトリミングをあわせて作ろうという話をした」と述べ、自らの指示で始めたことを認めた。「7、8年前から最近までやっていた。毎日のようにやっていた時もある」と、長期にわたり日常的に繰り返していたことも明らかにした。
田中社長によると、豚など格安の肉を混ぜて「牛ミンチ」として売ることで、コストが1、2割安くなったという。
同社によると、過去1年間に「牛100%ミンチ」表示の肉を出荷したのは北海道加ト吉など計16社で、北海道を中心に宮城、千葉、滋賀、広島にある。出荷量は総計で140〜180トンになるという。
偽装を始めた当時は業務転換期で、冷凍食品用の注文が急増した時期だったという。「当時は違法との認識もなかった」「社会も『食の安全』に厳しくなかった」と弁明した。同社長はすでに辞意を表明している。
同席した中島正吉工場長(58)も、偽装指示を「命令」と受け取ったと説明。指示のまま混入した理由について、「社長は雲の上の人ですから」と語った。
田中社長は問題発覚直後は「間違って混入した」と釈明。その後「工場長から豚を入れていいかと言われて容認した」「やったのは05年11月〜06年7月で、2、3回」としていた。
http://www.asahi.com/national/update/0621/TKY200706210375.html