国税局の財産差し押さえがあるとの虚偽の文書を送りつけ、その差し押さえを免れるという名目で現金計３３５０万円をバイク便で運ばせてだまし取ったとして、愛知、神奈川、新潟、北海道警の合同捜査本部は２０日、横浜市神奈川区新子安１丁目、無職鎌田博之容疑者（２９）＝詐欺罪で公判中＝ら６人を詐欺容疑で逮捕した。捜査本部は被害届が出ている分だけで、同様の手口で全国の２４人から計約７１００万円を詐取したとみて調べている。
逮捕されたのはほかに住所不定無職の太田卓（２６）、室井聖徳（２２）、小林桂一郎（２６）、横浜市鶴見区の無職本郷恵一（２６）＝いずれも別の詐欺罪で公判中＝、東京都町田市のパチンコ店員吉田扶美江（２６）の各容疑者。鎌田容疑者ら５人は容疑を認め、吉田容疑者は否認しているという。
調べでは、鎌田容疑者らは共謀し、昨年１０月下旬〜１１月上旬、名古屋市瑞穂区の小学校教諭の女性（５０）ら３人に「債権差押に基づく資産調査の通告」と題し、国税局が差し押さえを行うかのようなニセ文書を郵送。そのうえで弁護士をかたって女性らに「国税局が動いた。預金が没収される。解約して準備した貸金庫に預かる。バイク便を手配する」などと言い、バイク便業者にＪＲ熱海駅（静岡県熱海市）まで運ばせ、現金計３３５０万円をだまし取った疑い。
女性らは、この直前にも民事訴訟を取り下げる費用名目で、鎌田容疑者らのグループに計約１５００万円を振り込み、だまし取られていたという。
http://www.asahi.com/national/update/0620/NGY200706200012.html