全日空の国内線の予約・発券を管理するコンピューターシステムで5月末に起きた障害について、同社は13日、記者会見を開き、各空港の端末とホストコンピューターをつなぐ通信機器の記憶装置が故障したことが原因だったと発表した。
この障害では、5月27日の始発便から翌日昼過ぎまでに131便が欠航するなどし、計約7万人に影響が出たが、同社は「迅速に判断していれば復旧を早めることができた」として、13日付で山元峯生(みねお)社長ら役員4人の役員報酬を1か月、20〜10%減額するなどの処分を行った。
会社の損害は約4億5000万円に上る見込み。
同社によると、通信機器の故障は当初、先月26日午前9時30分ごろに発生。この時は5分程度で自動復旧したが、同日夜に再び故障した。同社は27日未明に復旧作業を行ったが完全に回復せず、同日午前4時ごろから深刻な状態になった。この影響でシステム内の別の通信機器に容量を超える情報が還流し、搭乗手続きができなくなったという。
最初に故障した通信機器を早い段階でシステムから完全に切断し、バックアップシステムに切り替えていれば27日以降のダイヤに影響は出なかった可能性があったという。同社はすでに故障した記憶装置を新品に交換し、今月中に新たなソフトを導入して、記憶装置の故障が起きてもシステム内の通信に影響が出ないようにするとしている。