航空機内で携帯電話の電源を切らなかったとして、警視庁は航空法違反(安全阻害行為)の疑いで、神奈川県平塚市の暴力団組員の男(34)の逮捕状をとった。同庁によると、携帯電話の機内使用で逮捕するのは全国で初めて。
東京空港署の調べでは、男は3月10日午後2時ごろ、羽田発宮崎行きの全日空609便が離陸のため滑走路に向け走行している時、乗務員らの再三の制止にもかかわらず携帯電話の電源を切らなかった疑い。
男は携帯電話を5台所持していた。携帯には少なくとも2度着信があり、機長は同法に基づき禁止命令書を読み上げた。しかし男は「仕事があるし、いっぱい持っているからすぐには切れない」などと従わなかったという。結局機体はいったん戻って男を降ろし、約30分の遅れが出た。
改正航空法は04年1月に施行され、携帯電話の使用やトイレ内の喫煙などが禁止された。国土交通省によると、安全阻害行為では06年1月、中部空港を出発しようとした全日空機で、禁止命令を受けた後もシートベルトの着用を拒んだ男性客が、罰金30万円となった。
http://www.asahi.com/national/update/0613/TKY200706130160.html