2007年06月12日(火) 17時40分
米独立系監視団体、YouTubeの調査に乗り出す--著作権侵害で(CNET Japan)
元検事のKen Boehm氏は何週間もビデオクリップを求めてインターネット中を駆け回った。
しかし、Boehm氏はYouTubeのファンというわけではない。同氏は、米国の首都ワシントンDC内の汚職の摘発で知られる独立系監視団体National Legal and Policy Center(NLPC)の会長を務めている。
NLPCが摘発した事件で最も有名なのは、恐らく、2003年に発生した米空軍と米航空機大手Boeing間の総額210億ドルに上る
不正取引事件 だろう。この事件では、Boeingの2人の幹部に懲役刑が言い渡された。NLPCは、米国政府内の汚職以外の問題にも目を向けており、最近、動画共有サイトYouTubeを傘下に持つGoogleに対する著作権侵害の調査に乗り出し始めた。
メディア企業各社はGoogleに対し、YouTubeのユーザーたちに映画やテレビ番組のビデオクリップを同サイトにアップロードさせないようにするための対策を強化するよう強く求めている。YouTubeの競合サイトの多くは、海賊版コンテンツを選別するフィルタリング技術をすでに導入している。コンテンツ製作者たちは、Googleに対してもフィルタリング技術の導入を要求し始めている。
Boehm氏(58歳)は、「膨大な額の知的財産権の価値が、財産権の所有者の認識や承諾なしに奪われている」と述べた上で、「これまでGoogleは、知的財産権の所有者に対し、YouTubeに投稿された彼らのコンテンツを彼ら自身が追跡することを強いてきた。これは一種のモグラたたきゲームだ。やはり、(違法コンテンツを取り締まるための)より公正な手段が必要だ」と指摘した。