カードローンの「基本契約」を結んでいる利用者が借金を返済した中に利息制限法の上限を超える「過払い」分が含まれていた場合、同じカードによるその後の借金の返済に過払い分をそのまま充当できるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(甲斐中辰夫裁判長)は7日、「充当できる」とする初めての判断を示した。
多重債務に苦しむ人が過払い分を取り返す際に有利な判断で、実務の場に影響がありそうだ。
訴訟は広島市内の男性がオリエントコーポレーション(東京都)を相手に起こした。判決によると、男性は同社と利用限度、利息、返済方法などを定めた「基本契約」を結び、借金と返済を繰り返していた。
債務整理をした際に利息制限法の上限(元本に応じて15〜20%)に従って計算し直したところ、返済分に過払い金があったことが判明。男性は、その過払い分を同じカードを使ったその後の借金の返済に充当するよう求めたが、同社側は「過払い金が発生した後の新たな借金には充当できない」と拒んでいた。
第一小法廷は「基本契約は、過払い金発生時に存在した借金だけでなく、その後の新たな借金にも過払い金を充当する合意を含んでいると解される」との判断を示した。
http://www.asahi.com/national/update/0607/TKY200706070136.html