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2007年06月02日(土) 03時01分

島根の事業でも談合疑惑、緑資源部長ら参考人聴取読売新聞

 独立行政法人「緑資源機構」(川崎市)が島根県で実施している「特定中山間保全整備事業」で、東京地検特捜部が、同事業を担当する機構本部の担当部長や出先機関の担当者らに対し、参考人として一斉に事情聴取を始めたことが、関係者の話で分かった。

 特捜部は5月25日、同事業を所管する松江地方建設部などを捜索している。特捜部では、既に官製談合疑惑が浮上している熊本県内と同様、島根県内でも官製談合が行われていた可能性が高いとみて、同事業を巡る談合の全容解明を進める。

 関係者によると、聴取を受けているのは、機構本部で特定中山間保全整備事業の農用地整備を担当する部長や、島根県江津市を中心とした「邑智(おおち)西部区域」(3080ヘクタール)で進められている同事業の各工事を発注する近畿北陸整備局京都事務所、松江地方建設部の担当者など約10人。

 松江地方建設部の幹部らは調べに対し、「工事発注の際に地元業者と受注を調整した」などと供述しているという。林道測量コンサルタント業務を巡る官製談合を主導した機構の前理事・高木宗男容疑者(59)も、特定中山間保全整備事業でも談合が行われたことを認めている。

 同事業は、島根県と、熊本県小国町などを中心とする「阿蘇小国郷区域」(5800ヘクタール)の2か所で進められている。阿蘇小国郷区域では地元業者が事実上の談合組織を作り、同事業の工事を独占的に受注していたことが分かっている。

 特捜部は5月25日、松江地方建設部を捜索し、邑智西部区域に関する打ち合わせや積算の資料など段ボール箱計4箱分を押収している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070602it01.htm