NTTドコモの中村維夫(まさお)社長は31日、朝日新聞とのインタビューで、08年までに携帯端末を使ったすべてのデータ通信に定額料金制のプランを設ける方向で検討していることを明らかにした。料金水準などは今後詰める。
中村社長は「ネットワークにかかる負荷を検証する必要はあるが、パソコンとのデータ通信も定額制になるという流れは間違いない。遅くとも08年には始めたい。これですべてのデータ通信が定額になる」と説明した。
携帯向けインターネット接続サービス「iモード」での定額料金制「パケ・ホーダイ」の契約数が1000万件を超えて定着。パソコンに差し込んで使うカード端末や、携帯をパソコンにつないでネット接続する際のデータ通信にも定額制プランの導入が必要になるとの考えを示した。
また、中村社長は「これからはネットワークと端末の分業を考える時代。ネットワーク側が持つ方がいい機能は相当ある」とも述べた。電子メールの内容や電話帳などの個人情報を端末に記憶させず、ドコモが通信網のサーバーで管理できる機種を増やしていく。情報漏れを心配する法人需要などの掘り起こしを狙う。
ドコモは夏商戦向けの新端末「904i」シリーズで、1台で二つの電話番号とメールアドレスを持てる新機能「2in1(ツーインワン)」を導入。2回線のうち片方の電話帳やメールの内容は、端末側にデータを残さず、ドコモの通信網側のサーバーで管理することを初めて可能にした。端末にないデータはサーバーから呼び出す形だ。
端末を紛失しても個人情報の流出を防げるので、情報管理を重視する法人の利用が見込める。端末では保存容量に限りがあるメールを長く保存したいと考える個人客の需要も期待している。
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