27日未明、全日空(ANA)の国内線予約・発券システムに障害が発生し、同日午後9時半現在で羽田、大阪(伊丹)空港の発着便を中心に130便が欠航し、306便に1時間以上の遅れが出た。欠航・遅延便は、全日空のこの日の国内便(818便)全体の半数以上で、計約6万9300人に影響が出た。同社によると、同日未明からシステムが不調だったため、点検・修復作業を行っていた。同社で原因を調べている。
ANAのシステム障害で遅延や欠航が相次ぎ、搭乗客であふれかえる羽田の出発ロビー 航空券の払い戻しや予約変更などの対応に追われる全日空の職員トラブルが起きたのは「総合旅客システム(able)」と呼ばれる全日空グループの予約・発券システム。東京都内にホストコンピューターがあり、各空港のカウンターや旅行会社にある端末と専用回線で結ばれている。
全日空によると、ホストコンピューターと空港カウンターなどを結ぶネットワークに障害が起き、処理能力が大幅に低下し、予約や発券の手続きが滞ったという。同社は最も混乱した羽田で午後1時半から4時間半にわたって全出発便を欠航。他社便への振り替えや払い戻しなどの対応にあたった。旅行会社とのネットワークについてはトラブルが確認されていない。
27日午前0時ころからシステムが瞬間的に途切れる症状が出たため、修復作業をしていたが、航空機が飛び始めた朝から障害が深刻になった。
全日空は、ホストコンピューターの周辺にあるサーバーのうち3台を、今月24日まで2週間かけて更新した。
27日正午ごろ、この3台を古いサーバーに戻したところ、システムの処理能力が回復。システムは同日午後3時半に全面復旧し、運航は同6時以降出発の便から再開した。同社は、サーバーの更新が影響したのかどうかも、調べている。
ただ、28日も10便が遅延、欠航するなど影響が残る見通しだという。
共同運航便で同じ予約・発券システムを使っているエア・ドゥ、スカイネットアジア、アイベックスエアラインズの計42便にも遅れが出た。
http://www.asahi.com/national/update/0527/TKY200705270039.html