振り込め詐欺グループの内紛で、男性4人が集団暴行を受けて死亡した事件で、殺人、死体遺棄、傷害致死などの罪に問われた、東京都板橋区、会社役員伊藤玲雄(32)(求刑・死刑)、同世田谷区、同阿多真也(29)(同)、同練馬区、パチンコ店従業員鷺谷輝行(27)(求刑・無期懲役)の3被告の判決公判が21日、千葉地裁であった。
彦坂孝孔裁判長は「人命を軽視した冷酷かつ非道な犯行」として、伊藤被告に死刑、阿多、鷺谷両被告に無期懲役を言い渡した。
判決などによると、3被告は、グループのリーダーとされる住所不定、無職清水大志被告(27)(殺人罪などで死刑求刑)らと共謀。04年10月13〜16日、グループの金を奪おうとした船橋市内の飲食店員男性(当時25歳)ら4人を東京都新宿区の事務所に監禁して熱湯をかけるなど暴行を加え、2人を殺害、2人を死亡させた。遺体は暴力団員らに依頼し、茨城県内の空き地に埋めた。
彦坂裁判長は伊藤被告について「当初から中心的な立場で、殺害行為にも主導的に及んでいる」と指摘、阿多被告については「伊藤被告らに影響された面があった」と従属的な立場だったと認定した。