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2007年05月18日(金) 00時00分

そこを何とか読売新聞

 今回のテーマは、せっぱ詰まった状況の中、無理は承知で相手に頼み込む場合の「そこを何とか…」。2人の読者からいただいた質問です。

 こんな状況では、I know we're asking the impossible, but isn't there anything you can do?(無理なお願いとは分かっているのですが、そこを何とかお願いできないでしょうか)と言ってみたらどうでしょう。

 anythingの代わりにany wayとしても同じで、「助けていただける何らかの方法はありませんか」が直訳です。または、I hope you can do something to help me out.とすればやや丁寧な言い方になり、help〜outで「この苦境から抜け出す手助け」といったニュアンスが感じ取れます。

 もう一つ、是非覚えておいていただきたい表現にhave a heartがあります。「同情してくれよ」が原義で、転じて「そんなにつれなくするなよ」、さらに「そう言わずにそこを何とか頼むよ」とつながる表現です。ただし、have heartとすると「勇気を出せ、がんばれ」になってしまいますので、

aの付け忘れに注意が必要でしょう。

 実際は、have a heart andの後にお願いの内容を続けます。例えば、Please have a heart and let these animals go.(お願いです、この動物を逃がしてあげてください)

 ところで、あまりにも無理な頼み事をされたときには、さすがに「虫がよすぎる」「できない相談」などと相手に言い返したくなるものです。

 「虫がよすぎる」なら、ask too muchを使って、You mean I have to finish the manuscript by tomorrow? That's asking too much.(明日までに原稿を仕上げろってことかい。そりゃ、虫がよすぎるぜ)

 「虫がよい」と言う意味でほかによく登場するのが、take a lot for granted。直訳すれば「多くのことを許されていると考える」。You expect to get a pay raise after you did such a thing? That's taking a lot for granted.(そんなことしておいて昇給を期待しているって?全く虫のいい話だ)

 「できない相談」ならa tall order。例文を挙げれば、It's a tall order to do all those things in a day.(それを一日で仕上げるのは無理な注文というものだ)

(石田格也記者)

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