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2007年05月12日(土) 01時32分

東京地検特捜部が証拠品を誤って廃棄…林道測量官製談合読売新聞

 農林水産省所管の独立行政法人「緑資源機構」発注の林道測量コンサルタント業務を巡る官製談合事件で、東京地検特捜部が、公正取引委員会から預かっていた証拠品の一部を誤って廃棄していたことが11日、分かった。

 捜査中の事件の証拠品の紛失は極めて異例。刑事告発前に、証拠品がずさんな管理によって失われるという事態は、今後の捜査に影響を与える恐れもある。

 東京地検によると、廃棄されたのは、官製談合事件の調査に伴い、公取委が業者から任意提出を受けた資料。特捜部は先月、公取委からダンボール数箱分を預かったが、今月に入り、このうち1箱が紛失していることが発覚した。

 紛失したダンボール箱は、地検の職員がごみと間違えられるような保管の仕方をしていたため、地検の清掃業務を請け負う業者が廃棄し、既に焼却処分されているという。また、資料を任意提出した業者や、公取委に対しては、既に事情を説明し、謝罪したという。

 同地検は11日夜、報道機関の問い合わせを受けて初めて証拠品の紛失を認め、岩村修二・次席検事名で「当庁職員が、公正取引委員会から預かっていた証拠物の一部を誤って紛失し、廃棄されるという事態が生じたのは事実。当庁に全責任があり、おわびするほかない」とのコメントを出した。しかし、詳細な経緯については、「いずれ改めて説明する」とコメントするにとどまった。

 一方、公正取引委員会審査局は「証拠物を紛失されたことは非常に残念。調査への影響についてはコメントできない」としている。

 今年2月には、東京・渋谷の歯科医師宅で女子短大生が殺害され遺体を切断された事件で、警視庁が、凶器とみられる木刀やのこぎりなどを紛失していたことが発覚している。同地検は、その際、「紛失した証拠品には重要なものが含まれており、誠に遺憾」とのコメントを発表していた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070511i515.htm