大阪府吹田市の遊園地「エキスポランド」でジェットコースター「風神雷神(ふうじんらいじん)2」が脱線し、1人が死亡、19人が負傷した事故で、ナットの緩みが車軸の破断につながった疑いのあることが府警の調べでわかった。構造的には金属疲労を起こしにくい場所が折れていたことから、府警は人的ミスが事故につながった疑いもあるとみて、保守点検の状況を詳しく調べる。
車軸の構造調べでは、コースターは2両目の車軸(長さ約40センチ)が折れ、五つの車輪からなるユニットが脱落して脱線したとされる。車軸の破断面はほぼ垂直で、小さな傷が拡大していったことを示していたという。
車軸は車体とユニットをつなぐ役割をしており、それぞれをナットで固定している。今回は、車体側のナットのつけ根付近が折損した。
正常にナットが締められていれば、車体側の受け口と車軸がすき間なく密着して、面的に支えて振動しないため、構造的に金属疲労は起こりにくい。
ところが、ナットを規定通りに締めないと、車軸と車体の間にすき間が生じてしまう。上下左右の荷重が車体から車軸にかかるたびに、ナットのつけ根付近が「支点」となって振動し、疲労破壊する恐れがあるという。
ナット部分は外から目視できるようになっているが、同社は始業前と営業時間中の点検項目の中に、この部分を含めていなかった。府警は、車軸などを鑑定する一方、点検を担当した社員らから事情を聴く。
http://www.asahi.com/national/update/0510/OSK200705090087.html