携帯電話で、文字に色や動きをつけたり、ユニークな画像を張り付けたりする「装飾メール」のサービス利用が増加している。とりわけ、最近は中高年の利用増が目立ち、「若い人との新たなコミュニケーションの手段として使われている」(NTTドコモ)ようだ。ただ、データ通信の定額制導入で、携帯電話会社にとって、新たな収益源になるのは難しそうだ。
装飾メールは、いまや背景色を加えたり、器用に動く画像なども添付したりできる。画像は、端末に内蔵されているほか、専用サイトからも取得できる。受信した画像は原則再利用が可能だ。
ドコモが、04年2月から「デコメール」との名称でサービスを開始。06年秋にはKDDI(au)、ソフトバンクモバイルも参入した。端末が装飾メール対応なら他社の利用者との送受信もほぼ可能だ。
ドコモの今年3月時点のまとめによると、装飾メールの同月の全送信数は約2億通。対応端末の利用者3500万人のうち、3人に1人が「最低でも月に1回は送信」しているという。
うち10代女性の利用率は75%を占めて断トツ。これに対して絶対量こそ少ないものの、中高年層の利用が増大。例えば40代の利用率は、前年9月に比べて男性で58%増、女性で54%増となった。50代もこの間、男性で50%増、女性で60%増という。au、ソフトバンクも同じ傾向だ。
送信料は文字だけのメールだと1通あたり約2円だが、装飾メールは画像の大きさにもよるものの10円程度と「高額」。しかし、最近は各社ともデータ通信料の定額制や家族間メール無料制などを導入していることも、利用を後押ししているようだ。