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2007年05月02日(水) 19時15分

消費者金融大手4社、3月期赤字が1兆7000億円超朝日新聞

 消費者金融大手アイフルと武富士は2日、07年3月期決算の業績予想の下方修正を発表し、ともに連結当期赤字が4000億円超に拡大する見通しとなった。すでに下方修正済みのアコムや決算を発表したプロミスを合わせ、大手4社で合計1兆7000億円を超す巨額の赤字に陥る。

 消費者金融各社に対しては、借り手が利息制限法の上限金利(元本により15〜20%)を超える「灰色金利」で支払った利息分の返還が増加。大手4社も、返還請求に備え多額の引当金の積み増しを迫られた。

 アイフルは、連結当期赤字が、当初見込みの1854億円から2倍超の4112億円の赤字に拡大する見通し。子会社の消費者金融やクレジットカード会社を含め引当金を積み増した。店舗統廃合などリストラ費用とグループ子会社の整理に向け、計約800億円の特別損失も計上する。

 武富士も、引当金を1621億円を積み増し、連結当期赤字が当初見込みの3338億円から4813億円に拡大する。

 他の大手は、アコムが連結当期赤字4379億円と予想しており、すでに決算を発表したプロミスは同3782億円だった。三菱UFJフィナンシャル・グループはアコムに、三井住友銀行はプロミスに出資しているが、今のところ関係を大きく見直す予定はない、としている。

 売上高に当たる営業収益も各社で減少傾向だ。相次ぐ規制強化で経営環境は厳しさを増しており、各社は店舗の統廃合や人員削減などリストラに着手しているが、中堅・中小事業者を含め、消費者金融業界の再編につながる可能性もある。

http://www.asahi.com/business/update/0502/TKY200705020313.html