「年金の還付金があります」。社会保険庁職員を名乗ってお年寄りに電話をしてコンビニに誘導、機械操作に不慣れなのにつけ込み送金させる——。こんな新手の振り込め詐欺が相次いでいる。社会保険庁は27日、現金自動出入機(ATM)から振り込ませようとする不審電話が、昨年11月から今年4月にかけて全国で159件あり、うち3件で計165万円の被害があったと発表した。同庁は「ATMを操作するようにお願いすることはない」として、注意を呼びかけている。
群馬県内に住む男性は昨年12月、同庁の職員を名乗る男から「還付金があるから支払いたい。コンビニのATMへ行き、携帯電話でかけ直すように」との電話を受けた。携帯電話で男の指示通りにATMを操作したら、自分の銀行口座から相手の口座に65万円を送金していた。このほか広島と長崎の両県でも、同様の手口で50万円ずつの被害があった。
同庁によると、ATMの操作が不慣れな高齢者を狙い、従業員の助けが得にくいコンビニやスーパーのATMを指定しているという。
年金の還付金が生じるのは保険料を払いすぎた場合だが、手続きは文書で行われる。年金受給者には基本的に還付はないという。
http://www.asahi.com/national/update/0427/TKY200704270364.html