手話を使って聴覚障害者から金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた福祉関連会社「コロニーワイズ」(破産手続き中)の社長、小林洋子被告(55)ら3人の初公判が26日、東京地裁であった。
小林被告は「お金を預かったのは事実だが、一度として聴覚障害者の金をだまし取ろうとしたことはない」と述べ、起訴事実を否認した。
同罪で起訴された同社の元経理担当、町田栄子被告(56)も否認したが、町田被告の長男の元社員、町田訓清被告(28)は起訴事実を認めた。傍聴席では手話の同時通訳が行われ、多くの被害者らが真剣な表情で公判を見守った。
起訴状によると、小林被告ら3人は、同社などの資金繰りが破たんしていることを聴覚障害者に伝えずに、「銀行よりも高い年6%の利子を払い、元本も保証する」などとウソの投資話を手話でもちかけ、2004年2月〜05年9月、13人から計1億1600万円をだまし取った。さらに検察側は冒頭陳述で、小林被告らが昨年5月までに計約27億円を集め、このうち約5億8000万円しか被害者に返済していなかったことを明らかにした。